「劇団Z・A」代表・木田博貴氏に訊く! 〜 自分の伝えたいこと 〜
第3回目の今回は「劇団Z・A&オーダーメイド」代表・木田博貴氏のインタビューをお届けします。
「劇団Z・A」プロフィールはこちら
自分が世の中に言いたいことを、そのための「劇団Z・A」
Q:今までどのようなテーマで活動してきましたか?
A:Z・Aをやろうと思ったのは、今まで色々な劇団をやってきたんだけど、いまいちやりたいことが見つからなかった。うちは基本的に既製台本をメインに、そこからテーマを見つけて押し出すという方針でやっていたんだけど、そのうちやりたい台本がなくなってきた。それで、オリジナルでやりたいなと思って。オリジナルでやるってことは、テーマっていうのを自分で考えないといけないでしょ。テーマは、俺が世の中に対しておかしいなと思っていることを発していきたい。それで立ち上げたのが、Z・Aだったんだよね。だから団員にはよく言うんだけど、「うちにとって脚本はそんなに大事ではなく、俺がテーマを訴えるために脚本や役者、スタッフがいるんだ。」というスタイルでやっている。だから今までもそういったテーマ性、具体的には環境問題、イジメ、戦争などをテーマでやっていて、10代後半から20代の人達に何か考えてほしいなという思いに重きを置いて芝居をやっている。
あと、芝居はお洒落でなきゃいけないという考えがある。せっかく若い人たちでやっているので、お洒落とか見た目を大事にしていきたいなっていうスタイルもある。
自分のやったことの意味
Q:10代・20代に対して自分の言いたかったことが伝わったと実感したことはありますか?
A:公演後のアンケートに、例えば今回の公演が環境問題だったら「ゴミのことについて考えさせられた」とか。一番実感したのは、去年やった「D」という芝居で女子大生の子が見に来てくれたときの感想で、「正直、私も何とかなるだろうという考えで大学に通っていたんですけど、これを見て私も何かやりたいなと思いました。」と書いてくれていたのが一番うれしかった。あとは、友達の連れだったんだけど、俺たちの芝居を見た後にぼそっと「俺も何かやらなきゃいけないな」と言ったらしいんだよ。
そういう「自分がテーマにしたことで、何か考えてくれてるな」ってわかる感想を見たり聞いたりすると、「自分のやったことに意味があるんだな」と思う。
やるからには本気で
Q:お芝居を始めたきっかけは何でしたか?
A:高校生の時、やりたいことがあったから文化部に入ろうかなと思ってたんだけど、そんな時に演劇部の顧問に声をかけられたのが最初のきっかけ。演劇部なら舞台上に立って何かするからもてるかなって思ったから芝居をやり始めた。高校のときはもてることがすべてだったからね(笑)。
けれど、やるからには本気でやる性格だったので、1年生のときから「客に出すんだからいいものを作りたい」と言って先輩とよくぶつかってたよ。そんな時、たまたまアマチュア劇団の人が練習を見に来ていて、いろいろ話を聞かせてもらった時に、静岡にもこういうのがあるんだ、「こういった劇団に入ってやってみたいな」と思った。1年生の2月に、それとは違う劇団からだったんだけど演劇部宛に「今、役者を探しています。今度オーディションをやるので、よかったら受けに来てください」というDMが来て、それを見て受けに行った。これがアマチュア劇団に入ったきっかけ。
その劇団に入って、そこの座長にいろいろ教わりながらやってたんだよね。その時に手伝いに来ていた人がいたんだけど、その人がプレシャスジャンクの演出家だったんだよ。で、その人が「ステージスピリッツっていう団体を立ち上げたい。ユニット制でやりたくて、毎回違うメンバーを集めていろんな劇団の人を枠を取っ払って集めてやりたいんだ」。それが面白そうだなって思ってたら、自分もたまたま誘われた。それからかな、芝居を本気でやり始めたのは。
それでいろんな人と出会ったし、いろんな考え方とか学んだ。それから少しづつ認められるようになって、19歳の時にステージスピリッツの座長になって初めて自分でアマチュア劇団を率いた。その時に、「何か自分のやりたいことと違うな」と思い始めてたかな。やっぱり人の作った団体だから、しがらみとかがあったんだよね。それじゃあ新しいことやるかと思って始めたのが、Z・Aなんだよね。
高校時代の衝撃
Q:今までに一番印象に残った芝居は何ですか?
A:高校の時、浜松の県大会で、ある高校の「チルドレン」という芝居で、通し稽古で普通の稽古場だったんだけど、今まで見たどんな芝居よりも面白くて見入ってしまった。
その話が面白かったから調べてみたんだけど、トリー・ヘイデンっていう、障害の子を相手にした経験を自伝として書く人の話だったんだよ。見ている時は、先がすごい気になったんだよね。それに、芝居をしている人も上手かったんだと思う。障害者の役だからたまに俺らでは考えられない動きをする時があるんだけど、その動きをしっかりと再現していて、俺には本当にそういう動きにしか見えなかった。そういう変化がすごく面白くて、同じ高校生なのにここまでやるのかって。俺も自信があったからもうボロボロだよね(笑)
これが一番衝撃を受けた芝居だったかな。
俺と芝居
Q:木田さんにとって芝居とは?
A:表現かな。手段であって目的ではない。芸術といわれるものならなんでもよかったんだけど、高校のときから芝居をやっていたし、俺の周りには芝居をやる友達がいて、力を貸してくれる仲間がいたし、俺自身が芝居が嫌いではなかったからね。
それに芝居というのはメジャーではないから、開拓しなければならないとも思ったしね。
「劇団Z・A」木田博貴氏のこだわり
ハッピーエンドをやろうとは思わない
別に、ハッピーエンドが嫌いなわけではない。だけど、ハッピーエンドだとその芝居のいままでの流れが、最後にハッピーエンドになることで、「最後ハッピーエンドでよかったね」という、ただそれだけの感想になってしまうのではないか。
そうではなく、芝居を最後まで見た人達にもっと違うなにか、その芝居のテーマであったり、そういった見た人達に何かを考えさせるような残し方をしていきたいって思ってる。
拍手は、いらない
これは、内容が暗いものがあるので拍手は無いだろうと覚悟はしているが、拍手があるのだったら正直ほしい。本当にないと、やっぱりショックだからね(笑)しかし、ただ機械的な拍手、例えば「演劇が終わりました。はい拍手」というタイミングでだされるような拍手はいらない。アメリカなどのスタンディングオベーションは本当にいいと思った人達が立って拍手をしている。本当にいいと思ったものは、例えば映画館でも本当にいいものを見たと思ったものには実際にしなくても心の中でしている人はいるはず。
だから公演が終わったときに幕は下ろさない。あえて終わりをわかりにくくすることで機械的な拍手のタイミングをわからなくするためにそうする。そのなかで一番最初に拍手をする人はこれを見てなにかを感じてくれているんだなとわかる。俺達はそういう拍手が貰えるようやっていきたい。
自らの成長のため、そして開拓のため
Q:木田さんは「劇団Z・A」のほかに、「オーダーメイド」としても活動されていますよね? これはどういった理由から活動されているのですか?
A:Z・Aには、ある程度路線があるので、それに外れるようなことはあまりしたくないし、お客の期待もあるので裏切るようなことはしたくない。俺自身も芝居を全部経験したわけではないし、いろいろな芝居をやりたいと思ってる。そうして自分の表現の幅を広げたい。ポリシーとして、「どんなに自分の考えと違うことでもそれに真剣に取り組んだことで必ず得るものはある」と思う。それは反面教師でもいいし、そのまま学んでもいいと思う。
それに、芝居を盛り上げようっていう思いもある。静岡の演劇を盛り上げるために個人的に頑張りたい。って言っても、大体Z・Aが協力してくれてるんだけどね(笑)
「春なのに…」というチャンスを生かして
Q:どうして「春なのに…」に出演しようと思ったのですか?
A:静岡の演劇を盛り上げたいという気持ちもある。だから、今回もいろんな劇団と一緒にやりたいなと思い、伽藍さんの座長に声をかけた。
Q:今回はどんな内容にする予定ですか?
A:決まってはいるんだけどね。それはまあ、見てのお楽しみってことで(笑)
Q:今回の意気込みをお願いします。
A:当然いいものを作ろうと思うし、今までZ・Aを見たことの無いお客さんが見てくれるチャンスなので、そういう人たちに何か感じてもらえればいいかな。
【インタビューを終えて】
今回のインタビューで、熱く語ってくれた木田さん。
「俺が伝えたことで、10代20代の人に考えてほしい」。その想いで活動をしている木田さん率いる劇団Z・A。今回の「春なのに…」では、私たちにどんなメッセージを投げかけてくれるのでしょうか。
また、木田さんのソロユニット「order made」が、2/10・11・18に焼津市の喫茶店「さくらや」にて公演されます。「劇団Z・Aとはまた違った表現を楽しめる演劇」とのこと。
詳しい内容は下の画像、または「劇団Z・A」ホームページへ
[文責:佐藤]
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